RICOH THETAシリーズの最高画質を誇る、フラッグシップモデルのTHETA Z1。1.0型のCMOSイメージセンサーを搭載し、約2300万画素の高画質な360度静止画を撮影することが可能です。
THETA Z1は特にコロナウイルスの大流行をきっかけに、写真愛好家の方々だけでなく、不動産物件や施設のバーチャルツアー撮影用途でも、手軽に高画質な360度画像が撮影できるカメラとして、世界中で幅広くご活用頂くようになりました。
THETA Z1は、JPEGモードのHDR合成撮影などに設定することで、手軽にきれいな360度空間撮影が可能です。ただ、RAW+JPEGモードを活用し、RAWデータで撮影・編集することで、更に高品質な画像につくりあげることができることも、特徴です。
THETA Z1で撮影したRAWデータは、RAW現像ソフトウェアAdobe Lightroom Classicで現像した後、RICOH THETA Stitcherを使って、360度画像に繋ぎ合わせる作業が必要になります。ただこれまでRICOH THETA Stitcherは、単独で使うことはできず、「Adobe Lightroom Classic上で起動するプラグイン」としてしか使用できませんでした。
Photo by Sam Rohn
そのため、一部のユーザー様からは、「RICOH THETA Stitcherを単独で使用したい」というご要望を頂いておりました。
そんなTHETA Z1ユーザー様のご要望にお応えして、今回のバージョンアップで、RICOH THETA Stitcher単独(スタンドアローン)で利用できるようになりました!
その場合、どのような編集使用フローになるのか、一例を紹介します!
RICOH THETA Stitcherバージョンアップの実施
THETAの公式ホームページから、RICOH THETA Stitcher v3.00.0をインストールしましょう。
既にお使いのユーザー様も、スタンドアローンでの使い方をしたい方は、v3.00.0をインストールしてください。
RICOH THETA Stitcherの仕組み
THETA Z1のRAW+JPEGモードで撮影したデュアルフィッシュアイのDNGファイルはAdobe Lightroom Classicで現像し、デュアルフィッシュアイのJPEG/TIFFデータとして書き出します。
RICOH THETA Stitcherは、そのデュアルフィッシュアイのJPEG/TIFFデータを、きれいに360度画像に繋ぎ合わせ、Equirectangularの画像にスティッチする処理を行います。
従来、③のRICOH THETA Stitcherは、②のAdobe Lightroom Classic上のプラグインとして起動する必要がありました。
今回のRICOH THETA Stitcher V3.00.0によって、Adobe Lightroom Classicで書き出されたJPEG/TIFFのデュアルフィッシュアイデータを、RICOH THETA Stitcher 単独(スタンドアローン)でスティッチ処理することができるようになったのです。
スタンドアローンでの使い方
①お使いのRAW現像ソフトウェア(※)で、THETA Z1で撮影したRAWデータを画像編集し、JPEG/TIFFデータとして書き出してください。
※リコーで動作確認済みのRAW現像ソフトウェアはAdobe Lightroom Classic 10.3 です。
現像したデュアルフィッシュアイのJPEG/TIFFデータ
②PC上のRICOH THETA Stitcherを起動し、360度にスティッチしたいJPEG/TIFFデータを、ドラックアンドロップ ↓
※Macの場合はRICOH THETA Stitcherをインストールしてもデスクトップ上にエイリアス(ショートカット)は自動生成されません。Launchpadから起動するか、必要に応じて直接デスクトップ上にエイリアスを作成してください。
③正面位置など、お好みで調整し、OKで書き出し。↓
※アイコン上にそのままドラックすることも可能です。↓
※複数ファイル一括処理も可能です。↓
「一括処理」でまとめて書き出し。↓
完成した360度画像↓
※「画像ファイルを上書き」して保存と「別ファイルとして」保存を選択することが可能です!(チェックを外すとファイル名の末尾に”_er”を付け、別ファイルとして保存されます。↓
使用時の注意
THETA Z1本体で処理したJPEGファイルと同等のきれいなスティッチ処理を行うために、以下の点を必ずご注意ください。
RICOH THETA Stitcherの使い方など詳細はこちらもご参照ください!
Photo by Sam Rohn
注意:
・THETA Z1で撮影した画像を使用して下さい。
・処理できるファイル形式は、デュアルフィッシュアイのJPEG/TIFFファイルです。TIFFは8bit又は16bitのRGB形式のみ対応です。
・処理できる画像サイズは7296×3648です。Lightroom Classicの“HDR結合”を使用している場合は、”自動整列”のチェックボックスをOFFにしてください。
・JPEG/TIFFファイルは、元のDNGファイルと同じフォルダパス、又はひとつ下の階層のフォルダパスに置かれていることを推奨します。
より使いやすくなった、RICOH THETA Z1専用のソフトウェア、RICOH THETA Stitcher。ぜひ、THETA Z1のRAW撮影・編集で、さまざまな画像表現を試してみてくださいね!
詳細の使い方動画:
参考記事:RICOH THETA Z1で撮影した360度画像を現像してみよう!
編集:平川