前回夏の白馬三山登山のお話を伺ったReiさんに、その後9月に挑戦された3泊4日の表銀座・槍穂岳の大キレット縦走コースでのエピソードを、360度カメラTHETAで撮った画像を交えて伺いました。

コース選択の背景と初日のルート

表銀座と槍穂岳をセットで縦走とはとてもハードなルートだと思いますが、どうしてこのルートに決めたのでしょうか?

9月の連休に4日間で山に登る計画を友人たちと立てていました。当初は白馬から富山県側の日本海に4日間かけて下るルートを計画していたのですが、メインのメンバーがひとり行けなくなってしまいました。そこで、同じくらい内容の濃い登山ルートはないかと検討した結果、表銀座を登ったことなかった私と、穂高を登ったことがなかった友人の希望コースをつなげ、「北アルプスの表銀座・槍穂岳の縦走」という見どころたっぷりな登山ルートに、友人たちと4人で挑戦することになりました。

4日間の登山ですと、荷物も多くなりそうですね。

今回の登山は4日間と長くかつ岩稜も歩くので、快適な歩行ができるよう荷物もできるだけ軽量化につとめました。持参した荷物は下の写真のとおりで、テントも含めて全部で16キロあります。

初日のルートについて教えて下さい。

初日は中房温泉から燕山荘を経由し、お昼頃に大天井岳の大天荘に到着しました。大天荘の近くに各自が持参したテントを張りました。下の写真はそのとき4人で乾杯したシーンです。この日は天気が良すぎるくらいで、とても暑かったです。

【大天荘にて:THETAで撮影】

私は近くの小屋で生ビールを購入し、友人たちもそれぞれ梅酒やウイスキーなど、持参のお酒で乾杯しました!三脚に乗せたTHETAをみんなで囲んでカンパイしながら、セルフタイマーで撮影しました。ちなみに、私は山に登るときいつも赤ワイン1本分を別の容器に詰め替えて持参しています(笑)。

【大天荘にて:THETAで撮影】

2日目:槍ヶ岳~南岳

2日目は朝方4時頃起きて、荷物をテント場に置き、大天荘からは10分くらいの大天井岳の頂上に登りました。下がその時の写真です。明け方だったので、太陽が出た直後の写真です。

【大天井岳頂上にて:THETAで撮影】

4日間は常に槍ヶ岳を望みながらの登山でした。2日目は槍ヶ岳まで向かいましたが、槍ヶ岳は近くに見えるようで、なかなかたどり着くことが出来ずきつかったです。

【槍ヶ岳山荘】

この日はもともと槍ヶ岳に登る予定でした。ただ連休で槍ヶ岳がとても混雑しており、この日テントを張る予定だった槍ヶ岳山荘のテント場は午前中で既にいっぱいで、テントを張ることができませんでした。また、いつもだったら槍ヶ岳山荘から1時間程で登れるはずの槍ヶ岳山頂も、混雑のため4時間近くかかると聞き、槍ヶ岳山頂に登ることは諦めることにしました。そしてそのまま下山するか、南岳小屋まで向かうか話し合いをした結果、引き続き頑張って歩いて南岳小屋まで進むことに決めました。

【南岳のテント場】

南岳小屋までの3時間はとても大変でしたが、歩けば必ず着く!と信じてゆっくりでも一歩づつ進みました。ようやく到着した南岳小屋からの景色はとてもきれいでした。夕方についた南岳のテント場は空いていて、最高のサンセットも拝むことができました。

3日目:大キレット~北穂高岳~穂高岳山荘

3日目の朝は雨が降っていて霧がかっていましたが、この後は幸いにも雨も止み、天候に恵まれました。この日は南岳小屋から大キレットを越え北穂高岳に向かう、7-8時間ずっと岩稜の上を縦走するコースです。

【大キレットにて:THETAで撮影】

一歩足を踏み外したらすぐ滑落しそうな場所ですね・・・!!

はい、大キレットはたまに事故もあるかなりの難所です。登山3日目でもあったため、体力的にもかなり疲れていました。また、約16キロという重い荷物を背負いながらの岩場の縦走だったため、バランスを保って前に進むことは集中力を要し、とても大変でした。

【大キレットにて:THETAで撮影】

この日は、北穂高岳がまず最初のゴールでした。山頂はガスがかかったり晴れたりを繰り返しており、写真を撮ったときはたまたまガスがかかっていて真っ白の空間の中での撮影となりました。

【北穂高岳山頂:THETAで撮影】

その後、北穂高から涸沢岳を抜けて穂高岳山荘に向かい、テントを張りました。

【穂高岳山荘にて:THETAで撮影】

4日目:奥穂高~前穂高~上高地(下山)

4日目は奥穂高→前穂高と進み、上高地まで降りて下山しました。中房温泉から上高地まで車を使えば2時間くらいの距離を、16キロの荷物を背負ってわざわざ4日間山を歩いて移動するというのは、冷静に考えればちょっと変わってますよね(笑)。

【奥穂高山頂にて:THETAで撮影】

4日間で一番印象に残ったことは何ですか?

この4日間の縦走は、ずっと天気にめぐまれていたことがとても印象的でした。4日もあると1日くらいは悪天候の日があったりするのですが、4日間もいてこんなにずっと天気が良かった登山は初めてかもしれません。ずっと槍ヶ岳を拝みながらの縦走でしたし、朝焼けもきれいでした。荷物も重く、特に後半の石稜縦走はとてもきつかったですが、その分達成感も大きかったです。夏場の4日間登山だったため、早くお風呂に入りたいなと思いました(笑)。

THETAについて

THETAのどんなところが面白かったですか?

360度そのままの空間が撮れるのはすごいと思いました。また、みんなを集めなくてもその場でポーズをとってもらえば全員写るので、集合写真も撮りやすいです。360度で撮った後、色んなアングルで切り取れる点も面白いと思います。最初は、普通のカメラと違って撮影時にファインダーをみながら撮影できないため、出来上がりを想像しながら撮影することにコツを必要としましたが、慣れたら色んな角度で撮ることが楽しくなりました。

THETAを使ってどのように撮影しましたか?

THETAを三脚に乗せて撮影することもありましたが、登山中は手に持ってそのまま撮影することが多かったです。一脚(自撮り棒)は手の映り込みが抑えられるので、旅行など写真をきれいに撮りたいときには向いていると思いますが、登山中は荷物にもなるので、自撮り棒は使わずそのままTHETAを手に持って手軽に撮影するスタイルが合っているかなと思います。

【北穂岳から涸沢に向かう途中:THETAで撮影】

Reiさんがそんな過酷な登山に挑み続ける理由は何ですか?

もともと運動が好きで、体を動かすことで気持ちもリフレッシュできることが理由です。また、ハードなことに挑戦することで、クリアした時の達成感も大きいです。その達成感で、別のことも頑張れる気がするし、前向きになれます。

登山はつらいことも多いですが、頑張って前に進んだら必ず頂上につきます。辛いことがあっても頑張れるという意味で、プライベート含め精神面で良い影響があると思っています。また、きれいな景色の写真を撮ることも好きなので、良い写真を撮って、山の魅力をもっと多くの人に知ってもらえたらなと思っています。

【穂高岳山荘にて。手前がReiさんのテント。】

そんなReiさんが次に挑戦したいことはなんですか?

一般ルートではなく、岩場のアルパインルートにもっと挑戦したいです。以前から何度か挑戦したことはありますが、もっと挑戦したいと思い最近ロッククライミングを始めました。

また、海外のトレイルランニングにも挑戦してみたいです。昨年1年間シドニーにワーキングホリデーで滞在していました。シドニー周辺に高い山はないのですが、登山の代わりに山を走ってみようと思いトレイルランニングに挑戦したところ、その面白さにハマりました。

困難なことに挑戦し続けるReiさん、とてもかっこよくて素敵です!

これからのReiさんの挑戦を引き続き応援しています。(平川)

Instagram:@Raychel_29

使用機種:THETA SC

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