2020年5月29日にコロナ禍の生活様式を支援するために期間限定の無償サービスとしてリリースした「RICOH 360 – かんたん見守りサービス」。お持ちのTHETA VやZ1を活用して、遠隔で画像確認できるサービスです。
今回は、このサービスをご活用頂いている稲葉様に、具体的な活用方法についてお話を伺いました!
運営しているギャラリーとTHETA購入の背景
ギャラリーを始めたきっかけについて教えて下さい。
都市計画のコンサルタント事務所を退職後、2012年に日本橋にアイアイエーギャラリーを開廊しました。もともとまちづくり系の仕事をしていたため、退職後も人々が集まれるような場所を作りたいと考え、写真好きという背景もあり、ギャラリーを開設しました。
ギャラリーは、写真家さんや作家さんに展示場所として貸しています。
THETAはいつ頃どんな背景で購入されたのでしょうか?
THETAのことは昔から知っており、気になってはいたのですが、買うきっかけがないまま時間が経っていました。
今年の4月上旬に初めてTHETA Vを購入したのですが、きっかけはコロナです。コロナの影響でギャラリーを一時期休業せざるを得なくなりました。ただ、何かのかたちで情報発信を続けたいと思い、オンラインのフォト展示イベントを企画し、そこで活用するツールとしてTHETA Vを購入しました。
【RICOH360 – かんたん見守りサービス撮影のために設置しているTHETA V】
THETAシリーズの中でTHETA Vを選んだのはなぜでしょうか?
本当は、解像度が高い高画質なTHETA Z1が気になっていました。ただ、初めて購入するTHETAで、いきなり最上位モデルを買う勇気がなく、まずTHETA Vを購入しました。THETA Vはプラグイン拡張機能もあり、SC2よりも幅広い可能性があると思ったためです。
【RICOH360 – かんたん見守りサービスで撮影された360度画像】
THETA Vの画質は綺麗なのですが、やはり細部を拡大すると若干画質が粗いこともあります。やはり、思い切ってTHETA Z1を購入すれば良かったと若干悔やんでいます(笑)。
オンラインイベントでのTHETAの活用
オンライン・フォト展示イベントでは、THETAをどのように活用されたのでしょうか?
THETA 360.bizのバーチャルツアーの機能を使い、オンラインで作品の紹介を行いました。展示空間はTHETAで撮影していたのですが、やはり壁に展示されている作品を拡大すると、若干クリアではないときもあります。そのため、THETA 360.bizのアノテーション機能を使って、それぞれの作品の箇所にスチールの作品画像と紹介を埋め込み、個別に表示できるように工夫してみました。
【THETA 360.bizを活用したフォト展示】
建築系の仕事もしていたため、不動産でよくTHETA 360.bizが使われていることは知ってました。今回、自分のギャラリーの展示を発信する用途にも活用できるかなと工夫してみました。
とてもユニークなTHETA 360.Bizの活用方法で素敵ですね!
RICOH360 – かんたん見守りサービスの活用
「RICOH360 – かんたん見守りサービス」を使ってみようと思った背景を教えて下さい。
THETAのSNSで、RICOH360-かんたん見守りサービスのことを知りました。THETA 360.bizもそうですが、THETAで使えるサービスはまず使ってみて色々試してみたいと思っていました。このサービスの機能を最大限に活用していくかは、まだ模索中のところもありますが、使いながら色々と試しているところです。
現在は、RICOH360 – かんたん見守りサービスの機能をどのように活用されているのでしょうか?
THETA Vをギャラリー全体が見渡せる場所に設置し、見守りサービスと連携しています。1分毎に自動で撮影したTHETAの画像がクラウド上にアップされるので、その画像を外からPCでチェックしたりしています。
【RICOH360 – かんたん見守りサービスで撮影された360度画像】
運営しているギャラリーは作家さんに場所を貸しているのですが、自分は常にギャラリーにいるわけではなく、作家さんに任せて不在のことも多いです。そのため、お客さんが今どのくらい入っているのか、密になっていないかなども、リモートで確認しています。
時間帯ごとの画像と人数がサムネイルで確認できるので、どの時間帯に人が多そうかな、というのも把握することができます。
【Cloud上での画像閲覧サムネイル画面】
また、THETAで撮影したギャラリーの様子の画像は、FacebookなどSNSでもシェアしているので、ダウンロードしてSNS発信用に使うこともあります。
RICOH360 – かんたん見守りサービスは、撮影した画像に写り込んだ人の顔に、自動でモザイクをかけることができる機能もありますが、活用されていますか?
はい、モザイクの機能は活用しています。きれいにかかりすぎるくらい、漏れなくモザイクがかかってびっくりしています(笑)。ギャラリーの外で歩いている人にもモザイクがかかっていたりもします。
THETAから半径6メートルくらいの距離であれば、モザイクがかかるようになっています。RICOH360 – かんたん見守りサービスは、他にも「ヒートマップ」という機能があるのですが、こちらも使ってみましたでしょうか?
「ヒートマップ」の機能も使ってみたのですが、活用の仕方がよく分からず・・・。その場所の温度でヒートマップの色が濃くなったりするのかなと思ったのですが、この機能はどのように活用すればよいのでしょうか?
【ヒートマップ機能】
「ヒートマップ」は、温度ではなく、その日一日にその場所に立ち寄った人の「人数」の多さで色が濃く表示される機能です。そのため、後から振り返って、どの場所に人が多く立ち寄っていたか、ということがわかるようになっています。
なるほど。そうすると、こちらの場合は、ギャラリーの前半(左側)と手前のチラシが置いてある場所は人が多く立ち寄っていた、という見方になるのですね。
はい。また、それぞれのTHETAの画像に写り込んだ人数の累計を、時間帯別にグラフ化して確認することもできます。画像に映った人数の累計ではあるのですが、傾向としてどの曜日の、どの時間帯に人が多いか、等も確認することができます。
【RICOH360 – かんたん見守りサービスによる分析例】
RICOH360 – かんたん見守りサービスを実際に接続し、撮影し、閲覧する過程は問題なく行えていますか?
提供されたプラグインをTHETA Vにダウンロードして使用しますが、アカウント作成時にクライアントモードで接続するのを忘れていたため、接続時に少し手間取ったものの、問い合わせで手順を確認して問題なく接続できました。
現在、日中の12:00~19:00までの間に撮影していますが、特にTHETAの撮影が止まったり、フリーズするようなこともなく、スムーズに使えています。閲覧は、ブラウザ経由で確認できるので、こちらも特に問題ありません。
THETAを活用したRICOH360 – かんたん見守りサービスが、通常の監視カメラ等と違うメリットのひとつは、デバイスであるTHETAが見守り用途以外でも活用できる点です。例えば、旅行やお出かけに行った時はTHETAをプライベートの撮影に使うこともできます。
RICOH360 – かんたん見守りサービス以外で、THETAを何かで活用されましたか?
実はまだTHETAは買ったばかりなので、ギャラリーの撮影以外でTHETAを使えていません。これから、THETAを使った色々な撮影や作品作りにもトライしたいと考えていますが、THETAをPCにつなげて、ZOOM等リモート会議時のWEBカメラとして活用したことはあります。
【THETAをWEBカメラとして活用中】
ZOOMの場合、THETAで撮影した空間はパノラマ状の横長で表示されるのですが、このときはギャラリーの場所を使ってリモートで作家さんと会議したため、ギャラリーの壁の様子もTHETAで表現することができました。
RICOH360 – かんたん見守りサービス 今後の可能性
今後RICOH360 – かんたん見守りサービス機能は、どのような活用方法があると思いましたか?
活用できるシーンは色々とあるのではと思います。例えば、イベント時に設置して来場者の推移を把握したり、よく街中で実施されている交通量調査とかにも活用できたりするのではないでしょうか。家庭用というよりも、ビジネスシーンの方が活用のイメージがし易いです。
そうですね。実際、ビジネス用途の問い合わせも頂いており、中でも、設計建築系のお仕事をされている方からの問い合わせの割合が多い印象です。
「見守り」というコンセプトなので、アカウントに入れる人しか閲覧できませんが、個人的には発信用途にも使えればと思っています。
最後にギャラリーの宣伝になってしまうのですが、「フォト茶withGR ちょっとTHETA」(会期:8/25~8/30)という公募展を行います。参加するのも良し、ギャラリーでTHETAの使い方を確認するも良し、皆様のお越しをお待ちしています。
ありがとうございました!ぜひ今後も、色々なシーンでTHETAをご活用ください。
インタビュー:新元、平川
インタビューご協力:稲葉様