1971年の創業以来、大手デベロッパー案件の施工請負を中心に実績を積み重ね、現在は自社分譲や注文住宅を含め年間約120〜130棟を手掛ける同社。高い施工技術と気密・断熱性能への並々ならぬこだわりを持ち、社内の新年会では気密施工の「年間チャンピオン」を表彰するほど品質管理を徹底しています。
さらなる施工品質の向上と、将来的な「自社注文住宅メインへのシフト」を見据えて同社が取り組むのが、施工管理プラットフォーム「ANDPAD」と360度空間データプラットフォーム「RICOH360」を連携させた現場管理です。RICOH THETAによって生成される高精度な360度データと図面が組み合わさることで、現場とオフィスの情報共有がどう進化するのか。実際の現場での試みや今後の展望について皆様にお話を伺いました。
長年積み上げた技術力と「気密への徹底的なこだわり」が支える品質
-1971年の創業から長年にわたり、地域で非常に強固な実績と信頼を築かれていますね。まずは現在の事業内容や強みについて教えてください。
沼田様(以下敬称略):弊社は現在、年間120〜130棟ほどの施工を手掛けています。内訳としては、大手デベロッパー様からの請負が60〜70棟、エンドユーザー様からの注文住宅が25〜30棟、自社の建売分譲が10〜20棟といった割合です。また、昨今の戸建て市況に合わせて、介護施設や共同住宅(アパート)といった非住宅分野の施工にも実績を広げています。
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-その中で、お施主様や取引先から特に評価されているポイントはどこでしょうか?
沼田:やはり一番は「施工精度と気密・断熱性能」ですね。代表が何年も前から気密性能に強くこだわっており、「費用をかけてでも徹底して気密を出せ」という方針なんです。現場の監督や職人も競い合って施工していて、新年会では気密数値の優秀者を「年間チャンピオン」として表彰しているほどです。
そうした姿勢を評価していただき、弊社で建ててくださったお施主様のご友人や、お取引している大手デベロッパーの社員様が「自分の家もここで建てたい」と直接ご依頼くださるケースが非常に多いですね。
-施工品質に対する現場の熱量が素晴らしいですね。そうした信頼をベースに、今後はどのような事業展開を目指されているのですか?
沼田:将来的には「注文住宅だけで食べていける会社にしていきたい」というのが会社および代表の目標です。現在は大手デベロッパー様の請負仕事も受けていますが、一棟一棟お客様と丁寧に向き合う注文住宅の割合を伸ばしていきたいと考えています。
仕様変更の多い注文住宅だからこそ必要となる、360度空間データによる「隠蔽部記録」
-全棟注文住宅化を目指していくにあたり、現場管理の観点でどのような課題があったのでしょうか?
沼田:建売住宅と大きく異なるのは、注文住宅はお施主様との打ち合わせを重ねる中で、着工後であっても仕様変更やご要望の追加が頻繁に発生する点です。壁を貼って工事が進んだ後に「ここの配線はどうなっていたか」「配管の位置はどこを通っているか」を正確に把握・記録しておく重要性が、建売以上に高くなります。
-そこで採用されたのが、ANDPAD遠隔臨場とRICOH360による「360度空間データの記録・保存」だったのですね。実際の現場では、どのように空間データを生成・活用されているのでしょうか?
萩原様(以下敬称略):まだ運用のルール化を進めている段階ではありますが、主に工程の重要ポイントで撮影を行っています。基礎配筋の段階で全景を撮り、建て方が終わって電気配線、設備配管、ガス工事が完了したタイミングでRICOH THETAを用いて360度空間データを残します。壁で塞がれて内部が見えなくなってからでも、「あそこの配線経路はどうなっていたっけ?」「図面通りに通っているか?」といった疑問が生じた際に、社内や職人さんと後から空間全体を見返せるのはかなり重宝していますね。
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-リフォームや現地調査の場面でも、360度データの有用性を感じられていますか?
萩原:リフォームの事前調査でも活用を進めています。従来の平面写真だと、オフィスに持ち帰った後に「あ、あの現場の隅や天井付近を撮り忘れた」と気づくことがありました。もし壁を塞がれた後だと手遅れになりますし、確認のために再訪問するのも大変です。360度データとして空間全体を残しておけば、上下左右どこでも見返せるため、撮り漏れによる手戻りを防げる手応えを感じています。
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図面と360度空間データが直感的につながる。ANDPAD×RICOH360がもたらす情報共有
-単に360度写真を残すだけでなく、ANDPAD上で360度空間データを図面と連携させることで、どのようなメリットを感じていますか?
大石様(以下敬称略): ANDPAD上の図面に撮影地点のプロットを落とし込める(マップ機能)のが大きいですね。ブラウザ上で図面と360度空間データを紐づけて確認できるので、社内のパソコンからでも「図面のどの場所の空間か」が一目で分かります。現場に行かなくても空間の位置関係や状況を正確に把握できる仕組みとして役立っています。

-図面と空間データがリンクすることで、具体的にどのようなコミュニケーションの変化がありましたか?
名取様:平面写真だと「ほんの少し上が見たい」「すぐ隣の納まりが写真に見切れて写っていない」ということが多くて困っていました。図面から360度データを立ち上げれば「見たいところが見える」という感じで、画面上で見たい方向にぐるっと動かして確認できるのがいいですね。特にアパートなどの共同住宅や狭い現場では、見えづらい裏側やインフラ位置を残しておきたいので、細かく地点を登録して撮影するようにしています。
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大石:内勤の設計士やインテリアコーディネーターは、なかなか毎日のように現場へ足を運べません。これまでは平面の図面や写真で想像するしかなかったのですが、図面とリンクした360度データなら高さ関係や奥行き、窓とドアの位置関係が直感的に掴めます。「これだと吊り戸棚が高すぎるんじゃないか」「位置を逆にした方が納まりが良いのでは」といった具体的な相談を、画像を見ながら行うツールとしても可能性を感じています。
確かな技術力にデジタルを掛け合わせ、さらなる使いこなしを目指す
-社内での操作感や、現場への浸透具合はいかがですか?
萩原:撮影自体はシンプルなので使いづらさはありませんが、高画質で撮影した際のデータ転送に時間がかかったりと、通信環境面での課題はまだありますね。ただ、現場で職人さんと画面を見ながら納まりを協議するなど、360度データの活用の場面は確実に増えてきています。
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- これまでANDPADなどのツールも社内に浸透させてこられた貴社ですが、今後の「ANDPAD×RICOH360」による360度空間データの活用展望についてお聞かせください。
沼田:弊社でも、ANDPADでの受発注やペーパーレス化は説明会を開いたり現場で粘り強く教え合ったりして、やっと定着してきたという経緯があります。遠隔臨場機能や360度データの活用に関しても、まだ完全に使いこなせているわけではなく、まさにこれから社内に根付かせていく段階です。現在は工事中の隠蔽部記録が中心ですが、今後は完成した現場の360度空間データ化にもチャレンジしていきたいと考えています。
完成した空間データを営業活動に活かすだけでなく、お引き渡し時にお施主様へ記念としてプレゼントしたり、将来のアフターメンテナンス時に見返せるデータとして保存したりと、お客様の安心と満足度の向上に繋がるような使い方を模索していきたいですね。
- 長年培われた高い施工精度をベースに、現場と真摯に向き合いながら「RICOH360」が提供する360度空間データソリューションを着実に自社の強みへと昇華させていく姿勢が印象的です。今後のさらなる活用推進を楽しみにしております。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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