リコーは、2024年9月18日に360度カメラRICOH THETA X用の最新ファームウェア (v2.61.0) をリリースしました。

今回のアップデートでは、「HDR-DNG(ハイダイナミックレンジデジタルネガティブ)」という新機能がプリインストールのプラグインとして追加され、より安定した高品質な撮影編集が可能になります。プラグイン「HDR-DNG」は、THETA Xに搭載されている既存のHDR合成モードのJPEG(8ビット深度)よりも情報量が多い16ビット深度のデータを記録するため、白飛び・黒つぶれの抑制、暗部のノイズの低減の効いた360度画像の撮影が可能です。また、撮影した画像のファイルをDNG形式で記録できるため、Adobe lightroom等の現像ソフトを利用して、ホワイトバランスや露出調整を施した360度画像として現像することが可能となります。

この新機能は、より正確かつ魅力的に写真をコントロールしたいユーザーのニーズに応え、JPEGでは難しいコントラストやホワイトバランスの調整、シャドウの強化が可能になります。特に、作品の仕上がりを追求するハイエンドのユーザーや360度バーチャルツアーの撮影行うをプロの写真家にとって、画像補正の幅が広いというメリットがあります。また大規模な撮影プロジェクトなど、すべての360度画像の色調や露出を統一し、全体的な一貫性を保つことが可能です。  

THETA X HDR-JPEG と HDR-DNGの比較

THETA Xはシリーズ最高の60メガピクセル相当(11K)の高解像度を誇り、細かいディテールまで撮影できる点が大きなポイントです。360度バーチャルツアーでも、シーンの隅々まで拡大して詳細を確認することができます。  さらにHDR-DNGでの撮影を行えば、撮影後の画像編集に大きな柔軟性をもたらします。

HDR-DNGは、異なる露出で撮影された4枚のRAWデータを合成して16ビットのDNG形式で保存するため、カメラのデュアルセンサーでキャプチャされた膨大なデータが含まれており、JPEGよりもはるかに優れた色深度とダイナミックレンジをもちます。編集工程でホワイトバランスやシャドウ、ハイライト、露出、そしてステッチング(画像のつなぎ合わせ)も自在に編集できるため、より自然な仕上がりの画像を手軽に得ることができ撮影後に手動で複数の画像を合成する手間も省けます。 特に外光の差し込むコントラスト差の大きい室内シーンでディテールをしっかりと捉えることができます。

HDR-DNGはオープンスタンダードなDNG形式であるため、幅広いソフトウェアで扱えることが利点です。多くの編集ソフトがHDRに対応しているため、HDR-DNGで撮影した画像を最大限に活用できる環境が整っています。ダイナミックレンジの広さやディテールを活かして、写真のクオリティをさらに引き上げましょう。

ぜひ、HDR-DNG機能を試して、その結果をシェアしてください。
HDR-DNGの対応ファームウェアのダウンロードはこちらからどうぞ。

サイドバナー