RICOH THETA Xはシリーズで初めて2.25型大型タッチパネルを搭載し、機能や操作性だけでなく、デザインも大きく一新しました。THETA Xのプロダクトデザインは、THETAの初号機から担当しているプロダクトデザイナーを中心に、THETA Xの開発プロジェクトメンバーたちによって、何度も検討しながら作り上げられました。THETAのデザインコンセプトを踏襲しつつ、新しいTHETA Xのデザインが出来上がるまでのエピソードをご紹介します!
THETA X とプロダクトデザイナー の河俊光
THETA Xのデザイン構想
THETA Xは、THETA Z1とTHETA SC2というTHETAのラインナップの中で、より使いやすく先進的な操作性を兼ね備えた、アドバンスドモデルとして企画されました。シリーズで初めて大型タッチパネルを搭載するモデルとなり、従来のTHETAから大きくデザイン構成が変わります。そのため開発当初から、ボタンやレンズ周りを含めた全体デザインについて、検討が繰り返されました。
THETA X 開発初期のモックアップ(中央)
THETA Xのデザインは、THETAの「さっと取り出して手軽に使える」というプロダクト・コンセプトのもと、より使いやすい操作性、そして、操作部・レンズを含めた設計検討の中で、つくりあげられました。
THETA Xのカラー
THETA Xの本体カラーは、フラッグシップモデルでもあるTHETA Z1と、既に生産終了となったTHETA Vとのカラーのバランスを見ながら、何度も検討されました。
THETA Z1/THETA Vとの色のバランスの中で検討
THETA Xの本体カラーはTHETA Vと同じ「メタリックグレー」ですが、THETAVと比べてより精密感・品質感を感じられるような深みのある色味の実現を検討しました。THETA Vと比べてよりメタリック感が出るよう、塗料に混ぜるメタリックの粉末の割合なども細かく調整し、THETA Xのボディの色味が作り上げられています。
また、タッチパネル部分が黒いガラスになるため、タッチパネル部分との色味とのバランスも考慮した色のデザインにもこだわりました。
新しいシャッターボタンのデザイン
THETA Xのシャッターボタンが、従来のTHETAのような丸い形状ではなく、半円型のシャッターボタンとして、新たなデザインになったことも大きな特徴です。実は、このシャッターボタンの形状についても、プロジェクトメンバーの中で議論になったポイントのひとつです。THETA Xには大型タッチパネルが搭載されるため、シャッターボタンが従来のTHETAよりも若干下に配置されています。従来のTHETAのような丸いシャッターボタンをそのまま本体に配置するとバランスが悪くなってしまうことから、本体デザインと操作部が調和するよう、半円形状全体をシャッターボタンとするアイディアが出ました。
検討中のデザイン(最終的には一番左のデザインに決定)
プロジェクトメンバーの中では、「お客様にシャッターボタンだと気が付かれにくいのではないか?」という意見もありました。ただ、最初に触れればすぐに気が付く箇所であることと、デザインの先進性や親和性の中で、今回の新しいシャッターボタンのデザインに決定しました。
THETA Xは、操作部下の半円型の部分全体がシャッターとなりますが、直線部分を軸にして、どこを押しても安定的にシャッターを押せるよう、何度も設計を繰り返しながら、バランスの調整が行われました。その結果、とても押しやすく、操作性の高いシャッターボタンが完成しました!
レンズリング
THETA Xは、これまでの機種と比べてレンズリングが大きいデザインであることも特徴です。THETA Xのレンズのサイズに合わせて、全体のバランスが取れるレンズリングを新たにデザインしました。レンズリングの色味や細かい溝の質感なども、細かく検討されたポイントです。
バッテリー部分
THETA Xは、THETAシリーズで初めてバッテリー交換が可能になりました。
バッテリーの蓋があるTHETA Xの側面部分は、よく見ると少しカーブが入っています。ここは、バッテリーを開けるときに指がかかり、自然に開けやすくなるよう、操作性を考慮してデザインされました。
また、専用アクセサリーとの親和性にもこだわりました。THETA専用の自撮り棒、RICOH THETA Stick TM-2/TM-3を一緒に使った時に、自撮り棒に装着したままでもバッテリーの蓋を開閉できるような工夫もされています。
USB Cポート
THETA Xは、充電用のUSB Cポートが従来機種のような底面ではなく、側面になりました。これによって、THETA Xを三脚等に立てて、給電をしながら撮影を行う場合でも、ケーブルを接続させるためのエクステンションアダプターが不要になりました。
また、レンズから遠い、側面の下の方に位置しているため、ケーブルを差した状態で撮影をしても、ケーブルの画像への映り込みをできるだけ最小限に抑えることができます。充電をしながらでもソフトケースがかけられるよう、ソフトケースの長さとスリットも細かく調整してデザインしています。
本体デザインも新たになり、操作性にもこだわったTHETA Xを、ぜひ手に取って試してみてください!Product Designer of THETA X: 河俊光編集:平川撮影:大原その他THETA Xの関連記事はこちら:https://www.thetalab.ricoh/article/12329/https://www.thetalab.ricoh/article/12282/