RICOH360が描く未来シナリオ

Vol.1 かべのない未来をつくる

 

 このシリーズでは、RICOH360が描く未来シナリオを紹介していきます。

 360度全体を記録・分析する技術が社会や人々の生活にどのように貢献できるか、実現した世界がどのような世界になるのかを紹介します。
 このシナリオはRICOH360の価値、あるべき姿を検討する次世代を担うメンバーによるワークショップにより作成されたものです。


 

 地球温暖化、コロナ感染、インフレ経済など、厳しいニュースが飛び交う世の中。その中でも進行する超高齢社会について考えてみた。

 高齢者にとって愛着のある慣れ親しんだ住まいは、何物にも代えがたいものである。

 しかし、その住まいにはところどころに危険が潜んでいるそうだ。

 一番安全であるはずの我が家、日ごろ意識せずに使っているトイレやバスルームなど、専門家から見れば危険の宝庫である。

 その危険を少しでも減らすことができたら。

 住まいを分析、危険という名のかべをなくし住み続けられるように、ひとに優しい住まいをつくりたい、そう、我々の得意な360の世界から提案したい。

図1

リフォーム支援サービス

 “高齢社会白書”によると、要支援・要介護者数が668万人で且つ高齢者の住宅事故率77%とあり、500万人以上が事故でケガを負うリスクに直面しながら日々の生活を送っていることになる。また自宅に住み続けたい高齢者の割合は59%と多い。

 自宅に住み続け、しかも事故の危険性を少しでも下げるためにはリフォームという手段が考えられるが、個人で負担するには大きい額だ。ただ、要支援/介護者 リフォーム補助金として20万円が支給される制度がある。

 果たして予算は準備できた。

 が、非日常的なリフォームは上手くいくものなのか。

Slice

 高齢者のみならず、そうでない世代の人であっても慣れていないリフォームは不安でよく分からない部分が多くある。

 この要支援/介護者リフォームには、客である“家族”がまずいて、実際にリフォーム施工をする“建築士”と“施工業者”がいることは想像できるが、それ以外にも“作業療法士/理学療法士(OT/PT)”が介護に適したリフォームを検討指示する。情報を共有するだけでも多大な手間が発生しそうだ。

 これら複数の人々全員が同じ情報を共有して齟齬無く、リフォーム完成までたどり着けるのか。

 我々は、この課題にこそ360が役立つと直感し以下のように提案するに至った。

解決への仮説

 360度画像を多彩なサービスを展開するRICOH360に次の機能をビルトインすれば、慣れないリフォームもスムーズにできると仮説してみる。

図3


1. 屋内3D復元

 今の自宅内を撮影した360度画像を3D復元することで、室内を立体的に観察できる。3D復元画像はモバイルアプリを通じて共有されるので、関係者はバリアの存在に気づきやすく、共通認識を容易に持つことが出来る。

2. 間取り図生成

 新築ならまだしも、長年住んできた自宅の間取り図はそうそうあるものではないが、リフォームには必要なものである。その間取り図を360度画像から自動生成し共有することで、被介護者の動線の検討や建築士は平面図作成の参考にできる。

3. バリア自動検出  

 3D復元(上記1)では画像から目視でバリアを見つけ出していたが、画像認識技術を活用することで隠れたるバリアの自動検出を可能にする。これによりOT/PTの手間削減が削減され、より快適なリフォームが効率的に出来る。

4. モバイルアプリ

 提案した全機能をRICOH360のモバイル/Webアプリ上で完結させることで、関係者間でテキストチャット可能となり、より深い認識の共有が出来る。

図4

仮説の実現性とその効果

 種々の提案をしたが、これらはRICOH360には現時点では存在しない機能である。

 しかしながら個別の機能は世の中に存在するものであり、如何にそれらを使いこなすか、または専門業者とアライアンスを組むのかが、我々の腕の見せ所と言ったことになるであろう。

 結果的に、想定した情報共有の手間を省く効果以上に、リフォームがスムーズに完了し自宅内事故の減少による国の負担分も含めた医療費の減額が出来る。それのみならず、皆が容易に利用できることで社会的弱者もフォローし、SDGsの理想に一歩近づくことも出来る。

 かべのない未来をつくるには、超えるべきたくさんのかべがあることも分かった。 

 それと同時にRICOH360の可能性を改めて感じた検討であった。

文:案山子(ペンネーム)


 RICOH360が、どのように社会に貢献できるか、未来志向で議論したアイデアを紹介しました。
 我々は社会や未来に貢献するブランドとしてRICOH360を展開していきます。

REFERENCES

高齢者等のための住宅バリアフリー改修の計画手法に関する研究

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0825.htm

住宅・リフォーム業界を巡る現状と社会環境の変化

https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/reform/pdf/005_03_02.pdf

リフォーム戸数の60%が、65歳以上の高齢者

https://nspc.jp/senior/archives/10420/

地域包括ケアシステム

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

福祉用具・住宅改修

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000130771.pdf

介護保険事業状況報告

https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/toukei/joukyou.html

高齢社会白書

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

要介護高齢者の在宅生活を促進するための住宅改修の実態とその効果

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/72/622/72_KJ00004786864/_article/-char/ja/

屋内3D復元

- Zou, Chuhang, et al. "Manhattan Room Layout Reconstruction from a Single 360°Image: A Comparative Study of State-of-the-Art Methods." International Journal of Computer Vision 129.5 (2021): 1410-1431.