RICOH360が描く未来シナリオ

Vol.3 リアルとバーチャルをつなぐRICOH360 Platform for Retail

 

 このシリーズでは、RICOH360が描く未来シナリオを紹介していきます。

 360度全体を記録・分析する技術が社会や人々の生活にどのように貢献できるか、実現した世界がどのような世界になるのかを紹介します。
 このシナリオはRICOH360の価値、あるべき姿を検討する次世代を担うメンバーによるワークショップにより作成されたものです。

小売り=コミュニティとしての「場」の存在

 今からほぼ半世紀前に日本初のコンビニが開店、四半世紀前には楽天市場がネット通販を開始、世界では、Amazonが世界の本棚になると始めたマーケットプレイス等、Retail(リテール)の進化は言うまでもありません。

人が「モノ」を「買う」という長い歴史の上で、コンビニも通信販売もネットもない時代が日本にも存在していました。その時、庶民の消費を支えたのは地元の商店街であり、お祭りなどの出店でありました。そこには単に「モノ」を「買う」というだけではなく、一種のコミュニティのような関係が存在し、正月、花見、節句、七夕、穀豊穣の祭り、成人祝い、など四季折々のイベントの“場”でもありました。

日本最古の商店街と言われる浅草

 時代は過ぎ、インターネットやSNS等の普及により、コミュニティの場はネットへと移り、人と人の繋がりは親族の間でも希薄になりつつあります。それと共に、かつて賑わった全国の商店街の多くはシャッター街へと変わり、地元の素朴な祭りなどの行事のいくつかも消えてしまっています。しかしながら、近年、一度は廃れた状況から脱却し賑わいを取り戻している、むしろ、以前よりも飛躍的に集客・売上を伸ばしている地域・商店街がいくつもあるようです。

川越に見るモノ、コトを活かした まちづくり

 埼玉県川越市は、江戸時代以前から旧市街地北部にある初雁城(現在の市役所のある地域)を中心とした城下町であり、商業の町として栄えました。昭和の時代になり、東武・西武・旧国鉄の鉄道の駅が市内南部に設置されたことにより、賑わいはそちらの地域に移り、徐々に旧商業地域は廃れていきました。しかしながら1980年以降、旧商業地域での復旧活動が始まりました。主な活動は「まちづくり」の集客活動として、旧市街地にある喜多院、氷川神社などの名所・旧跡・古刹などの“モノ“や、五穀豊穣を祈願した川越祭りなどの無形文化財から得られる体験である”コト“の魅力をメディア、インターネット、SNS等を活用して広くPRすることで、「現地に行ってみたい、見てみたい、楽しみたい」という人々の気持ちを喚起させ、市内のみならず遠距離地域からの集客にもつなげ、結果として新商業地域から旧商業地域までの全体が栄える『まち(コミュニティ)』とすることに成功しています。

図1-1
(出典)川越市役所ホームページ 川越の歴史年表 を参考にグラフ化(1万以下の数値は切り捨て)

地域活性化とXR

 また、近年、国や自治体、商店街が、IT事業者等と協力しXR*を活用した地域活性化や“まちおこし”をする取り組みが増えてきています。

「経済産業省 中小企業庁 令和3年度 地域の持続可能な発展に向けた商店街づくりのノウハウ集 2022」によると、京都の錦市場商店街では、観光客の減少への対策、地域住民に対するサービスの強化を目的として以下の取り組みがされています。
・合同会社の新規事業として、2021年6月に EC サイト「京の台所」を開設。
・また、店舗での買い物を疑似体験してもらうことで販売促進を行うため、VR(Virtual Reality、 仮想現実)技術を活用した「錦VR商店街」のサービスを開始。
・同サービスでは、商店街の様子を全方位に渡り見ることができ、VR上で参加店舗の EC サイトから商品を購入することができる。

錦VR商店街


 活動が活発になってきた背景にはXRの技術進歩が大きく寄与していますが、これらの取り組みはリアルな活動にXRを融合させることにより、地域への訪問客数と滞在時間を増加させる効果を狙ったものです。

VR・・・バーチャル・リアリティ(virtual reality)とは、コンピューターによって創り出された仮想的な空間などを現実であるかのように疑似体験できる仕組み。コンピューターによって提供される感覚刺激 (視覚像や音など) を通じて体験される人工的な環境であり、環境内で起こることを人の行動により部分的に決定することができるもの。出典:Wikipedia
XR・・・エクステンデッド・リアリティまたはクロス・リアリティ(Extended reality、Cross reality、XR)。現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術の総称。出典:Wikipedia

私たちがお手伝いできるコト

 地域振興は少子高齢化・人口減少の進む日本で大きな課題の1つですが、川越市のように地元に伝統的な遺産やイベントがないと地域振興は難しいものでしょうか?
 近年はアニメの舞台になり、聖地巡礼で賑わいを見せている地域もあります。また、目を向ければ豊かな自然や由来のあるモノやコトがあるのではないでしょうか?
 また、ITスキルがないと魅力的な情報発信はできないのでしょうか?
 そのような課題をリコーが持つデジタル技術の活用により、多くの人と人が触れ合う「場(コミュニティ)」を形成するお役立ちができるのではないか?と考え、私たちは、リアルとバーチャルをつなげる小売り向けプラットフォームを検討し『RICOH360 Platform for Retail』と名付けました。
 焦点を当てたユーザーは、まずは消費者、大・中・小の小売業者、地域の商店街を支えたい自治体や団体です。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響による新しい生活様式の浸透などにより、ネットショッピングの環境は、広く活用されるようになりました。今後、ネットショッピングには多様なサービスが登場し、発展していくと予想されていますが、VRはその中でも注目される分野の1つです。360度カメラRICOH THETAでサッと撮影して、パッとVR世界を実現するサービス『RICOH360 Platform for Retail』では、商品や店舗、地元の名物や名跡などのVR画像を簡単に作成できる仕組みにより、情報の送り手の想いや現地での体験を消費者に提供することで、商店街の販売増加や集客につなげ、そして、地域商店街の活性化につなげます。

 『RICOH360 Platform for Retail』上での様々なコミュニケーションがリアルなコミュニティの形成に貢献-今後もVR、アバター、メタバース・・・これらの革新的トレンドが新たなコミュニティの形成を期待させています。

<構想図>

提案概要2

 Retail とは「Re(再び)、tail(切る)」、 この語源から、いわゆる消費財の「モノ」を顧客に再び分けて売る といわれています。人が人としての営みをしてきた長い歴史の中で「モノ」を「売る」「買う」というシンプルな行為(コト)、その根源的なコトは時代とともにさまざまな姿を変えつつも、「コト」を楽しむ気持ち、ワクワク感をもっと感じられるようにお手伝いをしていきます。

文:OKAOKA(ペンネーム)


 RICOH360が、どのように社会に貢献できるか、未来志向で議論したアイデアを紹介しました。
 我々は社会や未来に貢献するブランドとしてRICOH360を展開していきます。

REFERENCES

※セブン-イレブン日本1号店が東京都江東区で開店【1974(昭和49)年5月15日】

※1995年のアメリカで、Yahoo!、Amazon、などがサービスを開始。日本では96年にいくつかの企業がインターネット通販を開始、翌1997年には、大手企業が続々と参入する中、「楽天市場」がサービスを開始

【参考URL】 Microsoft Word - 07_一番街商店街.doc (mlit.go.jp) たった3年でシャッター商店街再生!宮崎県日南市「地域再生請負人」の仕掛け | greenz.jp グリーンズ

経済産業省 中小企業庁 令和3年度 地域の持続可能な発展に向けた商店街づくりのノウハウ集 2022

https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/2022/220426shoutengai.html

VR(Virtual Reality、仮想現実)技術を活用した「錦VR商店街」のサービス

https://my.matterport.com/show/?m=WkPEzRqcJHe&hl=1&ts=1&hr=1&lp=1&help=1

サイドバナー