RICOH360の価値をグローバルに

西山 泰男

IT業界でサービス事業等に従事、2013年にリコー入社。

海外販社で新規サービスを担当し、2020年からRICOH360海外市場に従事。

一枚の板で作られたテーブルを愛でるのが至福の幸せ。

1つのものを作りあげていくことの面白さ

まず初めに西山さんの経歴を教えてください。

学生時代は情報工学を専攻、ニューラルネット、音声認識、自然言語処理などを研究し、働き始めたのは2000年からです。約13年間、外資系IT企業でサービス事業に従事し、主にプロジェクト・マネージャーやコンサルタントをしていました。リコーには2013年に転職し、海外の大手企業にドキュメント・ソリューションを導入する案件のプロジェクト・マネージャーをしていました。一時期米国に駐在をしていましたが、日本に帰国するタイミングの2020年に現在のSmart Vision事業部門に異動しました。

前職では具体的にどのようなお仕事をされていたのですか?

前職の外資系IT企業では、入社当時は設計・開発業務に従事していましたが、3年目にはプロジェクト・マネージャー職になり、大手顧客ごとにシステムを開発・提供する案件を担当していました。最後の数年間は、お客様の課題解決を上流からお手伝いすることに軸足を移し、コンサルティング職を担っていました。


前職で心に残る成功体験や苦労されたことがありましたらお聞かせください。

いろいろあった苦労の中で一番記憶に残っているのは、信託銀行のお客様で確定拠出年金(401K)のシステムを構築する案件のプロジェクト・マネージャーをしていた時のことです。約3年間で何十億規模のプロジェクトでしたので、それくらいの規模になるとプロジェクトに関わる人数が100人くらい、協業するベンダー企業も10社くらいになり、それをマネージメントしていく必要がありました。また、基盤システムの開発には設計・開発、サポートや品質保証など多くの機能部門や会社を取りまとめる必要もありますし、金融業はセキュリティ面や品質面でも要求レベルが非常に厳しく、何十億円規模の案件を成功に導かなければならない大きなプレッシャーもありました。

協業する会社にはそれぞれの思惑もありますので、日々の交渉や調整も大変でしたが、いろいろな会社の人たちがそれぞれスペシャリティを持って臨むので、やりがいもありました。多様な人と協業して、 1つのものを作っていく取り組みは非常に面白いですね。

西山氏

今のお仕事であるRICOH360の事業開発と共通するところはありますか?

共通するところの一つは、RICOH360のパートナー企業のご担当者と話す機会が多いことです。例えば、建設業や不動産業のお客様にサービスを提供している企業のご担当者が考えていることや、その企業のビジョンを伺いながら、一緒にサービスを作っていくプロセスがとても楽しく、やりがいを感じています。

リコーには、約87年前の創業当時からの強みである光学技術と画像処理技術を活用した製品・サービスがあるので、その強みを活かしてパートナー企業と一緒に世の中を良くするサービスを作っていけるのはメーカーで働く醍醐味といえます。

 

ところで転職先にリコーを選ばれたのは何故ですか?

前職は外資系IT企業でしたので、次に経験するなら、日本が持つ技術や製品をITと組み合わせて、グローバルに展開する仕事をしたいと考えました。リコーは創業が1936年と歴史もあり、強い技術力を持ちながら長く事業を成長させている企業だという信頼感もありました。また、光学系の技術を強みに、複合機やプリンター、カメラを中心に海外比率が6割を超えるグローバル企業です。日本発メーカーのモノ作りに携わりながら、グローバルにその価値を提供していくような仕事ができると思い、リコーを選びました。
その他にも、リコーは結構面白いことに取り組んでいて、コンシューマ向けのパソコンが出始めた頃には独自でパソコンを開発したり、DVDやカラオケ、プリントクラブ(インスタント写真を撮影し、それを印刷したシールを製造する自動販売機)の事業も手掛けたり、先進的でユニークな企業だと思っていました。そして、私がリコーに入社した2013年は、消費者が気軽に手にして使うことができる世界初の360度カメラRICOH THETAが発売されたタイミングでした。とても印象に残っています。

パートナーとの共創でRICOH360をグローバル・スタンダードへ

西山さんにとってRICOH360の可能性をどのように感じられていますか?

そうですね。バズワードになりつつありますが、いわゆるデジタル・ツインの世界は今後当たり前になってくると思っています。その中でRICOH360は、360度画像に関わるプラットフォーム(サービスやシステム、ソフトウェア、カスタマイズするために必要な基盤となる環境)をデジタル・ツインで提供しますので、活用の広がりが期待できます。

2013年に360度カメラRICOH THETAが発売されてから10年近く経ち、一定レベルで360度を活用する市場は成長しているものの、まだまだ爆発的な普及には至っていません。爆発的な普及にはそれぞれの製品・サービスの導入の手軽さや使いやすさだけでなく、他社サービスとの連携や画像の共有や機器管理まで一気通貫で提供できるプラットフォームとしての価値も必要になると思っており、今、リコーはそれが提供できる状態になっていると思っています。

現在は不動産業や建設業を中心にRICOH360を活用いただいていますが、教育分野や観光業でも既に360度画像を活用するシーンが増えています。近い将来、RICOH360の広がりによって、360度の画像を見たり使ったりすることが当たり前の世界になってくるのではないでしょうか。


企業のお客様にとって、RICOH360の価値は何だと思われますか?

我々には、360度画像の活用に必要な全てのラインナップが揃っていて、それが大きな強みだと思っています。360度画像を撮影できるカメラ、360度画像を活用する機能を提供するアプリケーション、それらを共有・管理するクラウト上のデジタル・ツイン、サービスベンダーがこれらを自由に使えるCloud APIなどです。

RICOH360概念図

例えば米国は専門性を重視するため、リコーが360度画像における専門性を持っているということがとても重要になります。
360度の画像という特殊な画像を扱うには360度画像に関する専門性と画像処理技術、そしてそれらをクラウドサービス上で他社サービスと連携する技術など、これらの専門性が米国企業に必要とされると信じています。

 

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

そうですね。私は前職からパートナー企業の方々と共にシステムやサービスを創り、提供してきたという経験があり、その経験と強みを活かしてグローバルなパートナーの方々と、RICOH360を活用したサービスを一緒に作っていくことにやりがいを感じています。

そして、360度画像の活用が当たり前になる世界がすぐそこまで来ていると感じています。2023年3月からは私自身も米国を拠点に変え、より現場に近いところでRICOH360の価値を訴求し、パートナーの皆さんと360度の世界を広げていきたいと思っています。

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